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ストーカー 2

 

ストーカーがしつこい。毎晩酔っ払って電話をかけてくる。

「無視すればいいじゃん」

みんなそういうがストーカーはそんな簡単な人たちじゃない。

無視していると私の近所の住所から電話番号を調べ、急用だといって私に連絡させる。夜の11時半に近所のおばあさんが彼の電話番号をもって迷惑そうにやってきた。次に電話があったら着信拒否をするように頼むと、着信拒否の仕方がわからないという。警察に届けてほしい、取り次がないでください、と頼むと、それも困るという。仕方なく彼に電話すると、電話に出ないから何かあったのではないかと心配した、というが私はもう彼に10年以上会っていない。彼からの電話は酒の誘いと借金の申し込み、保証人になってくれ、彼のことを思い出すだけでも本当に気分が悪くなる。どうしてあんな人間と出会ってしまったのか。勝手に一方的に好意をもたれてしまった。こちらから連絡したことなどただの一度もないにのに困った時は助け合おうなどと生意気にいっている。ああいうゴミ以下の人間は他の人にも同じような迷惑行為ばかりしているのだろうから早く捕まってほしい。この世で一番嫌いだ。もっと酒を飲んで早く体を壊してどこかへ消えてほしい。

彼の話は全て頭にくる。ずっとそうやって生きてきたのだろう。全ての発言が自分勝手で一方的で人の話を聞かないから頭に血がのぼる。相手を怒らせてかまってもらう、何でもでしゃばって入ってきて、人を巻き込もうとする。そんなやりとりがしみついて日常になっている。いってはいけないことを普通に平気でいう。こういう奴にかかわってはいけない。しかも酔っ払って完全に頭がいかれているから翌日には何も覚えていない。何を話しても何の意味もない。もう限界だ。こちらまで頭がおかしくなってきたのでいつまでも終わらない話の途中で電話を切り、そのまま着信拒否設定した。ショートメールも拒否設定にし、公衆電話も拒否設定にし着信通知サービスも止めた。これで彼から連絡があってもわからない。誰かの電話を借りてまで電話をしてきたらさすがに周りも変な目でみて、捕まるのが少しは早くなる。絶対に縁を切る。勇気を出して闘う。今、縁を切っておかないと取り返しのつかないことになる。

また近所の人に電話してくるかもしれない、家にやってくるかもしれない、そう思うと落ち着いて家にいられない。眠れない。恐くてテレビをみていることもできない。どこかへ行って、何かをしなければおさまりがつかない。何か他の刺激を受けて区切りをつけなくては元の精神状態に戻れない。

セクシーキャバクラに行こう、と思った。若い女の体をもみまくってなめまくってやろう、と思った。そうでもしなければ、突然誰かに殴りかかったり、若い女性に抱きついたり、コンビニで万引きしたりしてしまうような気がする。

インターネットでよさそうなセクシーキャバクラを検索してから店に向かった。

店に向かいながら、行きたくない。

行きたくないけれど、何かをしなければならない。爆発しそうなムカムカする気持ちに区切りをつけなくては生きていけない。

セクシーキャバクラに向かっているのだが、やはりどうしても行きたくない。

長く会っていない親戚の女の子たちはもう30歳近い。セクシーキャバクラで働く女の子たちは親戚の女の子たちより歳下だろう。親戚の女の子たちの小さい頃を思い出すとセクシーキャバクラへ行くことはできない。行ったって明日自己嫌悪に陥るだけだとわかっている。もうキャバクラにだって10年行ったことがないし、行きたいと思ったこともない。

ふと数か月前に行ったロックバーの潤ちゃんの顔が頭に浮かんだ。ジョー・ストラマーの話で盛り上がった。

月曜日だから潤ちゃんがいるかもしれない。少し遠いけれど行ってみよう。

「あっ、山田さんだ、久しぶり、元気だった?」

金髪だった潤ちゃんは黒髪にしてオールバックにして前よりかわいくなっていた。まぶし過ぎる彼女の目をみることができなかった。

一杯おごった。

「オールバック、よく似合ってるね、ロバート・デ・ニーロみたい」「マジで? 『ゴッド・ファーザー』大好き」

ロバート・デ・ニーロの話になり、1位『ディア・ハンター』2位『ゴッド・ファーザー パート23位『ケープ・フィアー』4位『タクシー・ドライバー』5位『レイジング・ブル』6位『キング・オブ・コメディ』ということになった。

好きな人と話が合うと何より楽しい。2時間飲んだら気分は落ち着いた。(山田)

 

 

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