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冷たい赤ワイン


 

家に赤ワインを冷やしておくと飲んでしまう。

だから酒を家に置かない。あれば必ず飲んでしまう。

赤ワインを冷やさない店が多いから自分で冷やして飲みたくなる。イタリア料理やフランス料理を出す店は特に冷やさない。イタリア料理やフランス料理を食べながら冷たい赤ワインを飲みたくなる。

絶望をこめて「冷やさないんですか?」と聞いてみると、冷やさないと答える。冷やさない方がおいしいのだと説明してくれるが、冷やした方がおいしい。

日本の夏は蒸し暑い、フランスやイタリアは知らないが、冷たい方が絶対うまい。

ビールもホッピーもウーロンハイも冷たい方がうまいとみなが思っている。冷たい日本酒が好きな人も多い。

赤ワインだけ冷やさない。

赤ワインを飲む習慣の人はみなワインに詳しい。常識として赤ワインは常温で、白ワインは冷やして、と最初から知っている。冷たい赤ワインを飲むなんてわかってない、恥ずかしい。誰が決めたのか知らないが日本人ではないような気がする。

蒸し暑い夏に飲む常温赤ワインは気持ち悪いほどぬるくてまずい。何かの間違いで、あんなものがおいしいなんて信じられない。

夏の夕方、ジョギング終え、一風呂浴びた後に常温赤ワインを出されたらもう一回やり直したくなるぐらいに絶望する。

日本の気候には冷えた飲み物が合う。

夏に熱燗を飲むのはそれはそれでうまいが、それでもやはりクーラーの効いたところで飲みたい。湿気が多くて体中がベタベタしているのに熱燗を飲んだらいつまでも汗が引かず不快感がおさまらない。いつでも快適な環境で酒が飲めるというのに、いつまでも汗をぬぐいながら酒を飲んでいたら、普通は誰でもそのうちぶち切れる。クーラーなしで熱燗を飲むなんて、クーラーになれることができない昔の人がやることで、現代人では悪趣味で付き合えない。

私はアル中だから刺激が欲しい。冷たいのを一息にキューッと飲んで体をしびれさせたい。ぬるくては刺激がない。

アル中のためにイタリア料理屋やフランス料理屋をやっているのではないから悪いのは私だが、本当にぬるい赤ワインがうまいとは思えない。

常識によってぬるい赤ワインに慣れてしまった。ぬるい方がワインの味を楽しむことができるが、それは他の酒にもいえる。赤ワインだけがぬるい。赤ワインを冷やすと渋みが出ると聞いたが、ぬるい方がまずい。冷やせば刺激が増して渋みに気づかない。

最初に冷たい赤ワインで赤ワインのうまさを覚えた人は冷たい赤ワインを好む。

冷たい赤ワインを飲んだっていい。ここは日本で、日本の夏は冷たい飲み物を出すと決まっているのだから冷たい赤ワインの方がおいしい。赤ワインだけは冷やさないなんておかしい。外国から笑われるようなことになっても日本人は赤ワインを冷やしてもいい。

フランス料理屋やイタリア料理屋でぬるい赤ワインを飲む度に冷たい赤ワインを飲みたくなり、がまんできなくなって帰りに1本買って冷蔵庫に入れる。

外で飲むぬるい赤ワインは1600円(ボトルで3000円)、スーパーで売っているおいしいチリワインは11300円。家で飲んだ方が安くてうまいが、気分転換にならずちっとも楽しくない。ビストロやイタリア料理屋は席につくだけでワクワクする。ピザやパスタが運ばれてきて気分が高まり、ぬるくてまずい赤ワインを飲む。(山田)

 

 

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