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デブ、ハゲ、ブス

 

小学校3年生の時、家族旅行で電車に乗っていた時だった。長距離電車のボックス席で私は意味もなく興奮していた。向いに座った父はビールを飲み、赤い顔で上機嫌だった。

電車にすごく太った女の人が乗ってきた。私が「あ、すごいデブ」といってハハハと笑ったその瞬間、父が私の胸ぐらをつかんだ。

「お前の方がもっとデブだ、俺はお前を連れて歩くのが恥ずかしくってたまんねーよ」

真剣な怒った顔で私をにらみつけ、私の笑顔が凍りついた。

助けを求めるように隣の母の顔をみると、悲しそうに下を向いて、私の顔をみることなくつきはなした。それから先はずっと黙ったままだった。

学年一の肥満児であった私はそのストレスをどこかにぶつけたかった。親に守られている状態で、誰が悪くいえるような人をみつけた。

父と母は「お前なんか、人を悪くいえるような人間ではない。人に悲しい思いをさせて迷惑をかけるな」ということを教えたかった。今となってはありがたい。あの時の心の傷のおかげで、デブもハゲもブスも責任が重過ぎて恐くて口に出せない。

デブもハゲもブスも普通に口に出す人が多いが、いわれた方はとても傷ついている。自分がそうだからよくわかる。家に帰ってから絶対にいじけている。何歳になっても何度いわれてもなれることなく傷つく。死んでしまう子だっている。

傷つけるのは本人だけではない。産んでしまった親も、生まれてしまった子も傷つける。年下の上司にハゲを笑われたお父さんは家に帰って娘の顔をみることができない。学校でブスといわれた女の子は家に帰ってお父さんの顔をみれない。デブといわれた成長期の子がごはんを食べられなくなる。そんな思いをさせた人が大した人間になることは絶対にないのだから本当に迷惑だ。

ハゲの呪いは強い。いくら努力しても髪は決してはえてこない。祈りが神に届くことはない。怨念が通じハゲを笑った人の子は必ずハゲる。孫は若ハゲに苦しむ。全てハゲを笑った人が原因だ。

デブを笑った人の子は必ず糖尿病になり人工透析を受ける。ブスを笑った人の子は必ず脱腸になる。痛風になって歩けず、盲腸が腐って悪化し大手術に失敗して寝たきりになり、若くしてガンになり、しかも交通事故にあい、ホームに入ってきた電車に突き落とされる。そんな日本昔話を勝手につくって眠る前の子供に読み聞かせれば必ず悪夢にうなされ、人を傷つけることはできない。(山田)

 

 

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