Entry: main  << >>
なるほど! 整理術 グローブ編

 



なんでも捨てる私がずっとグローブを捨てられずにいた。キャッチボールをしたいのだが、相手がいない。いつ相手がみつかるかわからない。そんな悩みを抱えながら、グローブとキャッチャーミットとボールを捨てられずにいた。

中学2年の時に買った硬式用の高級品だった。どこも悪くなっておらず、手に馴染んでいる。

友達が減っていった30代にバットは捨てた。ランディ・バースのものより重く、十代の時に特訓に使ったものだったので思い入れがあったので、思いを断ち切るようにのこぎりで切り刻んでから捨てた。

草野球の助っ人の誘いもここ20年ない。

キャッチボールをやってから酒場に向かい冷たいビールを飲む。かつてそんな友達が1人だけいたが、彼は30代で脳梗塞に倒れ、グローブをつけることも、ボールもつかむこともできなくなった。

それ以来10年、1度もキャッチボールをしていない。

外国に住む友人に数年おきに会う度、グローブを持って行くのだが、適当な場所がみつからなかったり友人が面倒くさがり、実現できないままでいた。

「今度、キャッチボールしませんか?」

酒場で野球の話をする若者と会う度、そんな言葉を言い出せないでいた。

30年も持ち続けたものなんて、他にすぐには思い出せない。ないかもしれない。自分の過去の写真すら一枚も持っていない。

キャッチボールがしたい。勇気を出して今度誰かに声を掛けてみようか。
思いを断ち切るために、気が変わらないうちにグローブをハサミでバラバラに分解してゴミ袋に入れた。もう一生野球をやることはなくなった。酒場で野球の話をする若者に出会ってもドキドキしながら話に耳を傾けることもない。(山田)


| chat-miaou | 06:16 |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | 06:16 |